ペリドットの特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

ペリドット
ペリドット 8月の誕生石
原産地 中国、ケニヤ、パキスタン、南アフリカ、タンザニア、アメリカ
緑から黄緑
属性 オリビン
硬度 6.50 - 7.00
屈折率 1.65 - 1.70
比重 3.28 - 3.48

夜にも明るい緑の光を放つペリドットは、古代エジプト人には「太陽の宝石」、ローマ人には「夕べのエメラルド」と呼ばれました。ペリドットはクレオパトラのお気に入りで、昔からエメラルドと混同されました。英語の発音は「ペアリードット」とされることが多いのですが、正確には「ペアリードォ」と言います。

ペリドットの語源は明らかではありませんが、いくつかの説があります。13世紀の中期英語の単語「ペリドート」が由来だという人もいます。この単語は「明るい点」や「明るいボタン」を意味し、このジェムストーンの輝きをうまく表していると言えます。その他にもフランス語で「不明な」という意味の「ペリトー」からきているという人もいます。おそらく絹のようにやわらかな外見のためでしょう。またギリシャ語で「豊富」という意味の「ペリドナ」を語源とする説もありますが、このジェムストーンは古くから手に入りにくかったことを考えると、真実味はありません。大昔のペリドットの生産地から考えて、アラビア語でそのまま「宝石」を意味する「ファリダット」が由来だという説が、一番有力でしょう。

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伝説

古代ギリシャやローマのジュエリーに好んで使われたペリドットは、紀元前1500年にエジプト人がザバルガド島で採掘を始めて以来、常に人気がありました。ザバルガド島はのちにセント・ジョンズ島と呼ばれるようになる紅海の島で、エジプトの海岸から80キロ沖にあります。興味深いことに、「ザバルガド」はアラビア語でペリドットを意味します。

ペリドットは自然な光を放つため、昔から見つけやすい夜に採掘されてきました。古代エジプト人は、ペリドットは日光を浴びると見えなくなるとさえ言いました。興味深いことに、エジプト人はまたペリドットの色は太陽神ラーの金色の光を受け継いだものであり、危険から身を守ってくれると信じていました。

ハワイの先住民はペリドットを女神ペレの涙だと信じ、聖書では(ギリシャ語で「金色の石」を意味する古い名前クリソライトを使って)モーゼに授けられアーロンの胸当てにはめこまれた(出エジプト記28章15節から30節)「火の石」(エゼキエル書28章13節から16節)のひとつとされました。

またエルサレムの城壁の土台石に使われた12の宝石のひとつであり(ヨハネの黙示録21章19節)、12使徒のひとりバルトロマイの象徴とされました。

クレオパトラは見事な「エメラルド」のジュエリーのコレクションを持っていたと伝えられていますが、実際にはほとんどがペリドットでした。

オスマン帝国のスルタンは1300年から1918年の600年間にわたる統治の間に世界最大のペリドット・コレクションを成し遂げました。玉のみの宝石からイヤリング、リングなどのジュエリーまで、そのおびただしい数のコレクションは壮観です。

パウダー状にしたペリドットは喘息の治療に使わ れ、熱の下がらない患者の舌の下にペリドットを入れると喉の渇きが癒されると言われました。ペリドットで作ったゴブレットで薬を飲むと、効果が上がるという言い伝えもあります。

海賊たちは、ペリドットには邪悪な霊や夜の恐怖を追い払う力があり、特に金にはめこむといいと信じました。ただし、悪霊を追い払うにはペリドットに穴をあけ、ロバの毛を通して左腕につけなくてはなりません。

おそらく最も珍しいペリドットは宇宙から落ちてくるパラサイト(石鉄隕石)でしょう。パラサイトは1772年にドイツの科学者ペーター・ジーモン・パラスが発見しました。カットを施されジュエリーにはめこまれることもある、人類が知る数少ない大気圏外のジェムストーンです。2003年にペリドットは火星で発見され、地球以外の惑星で発見された最初のジェムストーンとなりました。

ペリドットについて

ペリドットはオリビン(かんらん石)の一種で、金色がかったライムグリーンから豊かな萌黄色をしています。伝統的に最も評価の高い色合いは萌黄色です。しかし、やや黄色っぽい色合いをした多くのペリドットもとても魅力的で、強い人気があります。これも個人の好みの問題で、カラー・ジェムストーンを選ぶ際に最も大事なのは、自分が好きな色を選ぶということです。化学組成の基本的要素によって発色するジェムストーンを「イディオクロマティック」つまり「自色性」と言い、純粋な状態では無色の場合を「アロクロマティック」つまり「他色性」と言います。ペリドットの場合、発色は鉄によるものです。鉄はペリドットの組成の一部なので、常に色(緑から黄緑)が見られます。

ペリドットは、光を分裂させたり屈折させたりするため、深みのある輝きを放ち、魅力的なベルベットのような、絹のような光沢の外見になるのです。 アメリカのアリゾナ州にあるサン・カルロス・アパッチ居留地は、ジェムストーンの品質を持つペリドットの世界最大の鉱床ですが、最近では中国が大きな生産地となっています。1994年、パキスタンに新しい鉱床が発見され、過去最高のペリドットが採掘されています。その鉱山はカシミールのパキスタン 側、ヒマラヤ山脈の西側のナンガ・パルバット地方にあ り、海抜4572メートルの場所です。

世界でも最高品質のペリドットはビルマ(ミャンマー)のモゴク地区北部にある、ピャウン・ガウン鉱山で産出されるものです。100~200カラット、またはそれ以上もあるファセットカットされたペリドットはこの鉱床から出ていることで知られていますが、たまにペリドット・キャッツアイや、スターペリドットが産出されることもあります。