イーダーオーバーシュタインの宝石彫刻 -番外編-
GSTVスーパーバイヤーと三沢一章が行く ラスベガスジュエリーショー2018

 今回は、「イーダーオーバーシュタインの宝石彫刻」はお休みさせていただき、6月上旬に訪れた全米最大規模のラスベガスでのジュエリーショーの様子を皆様にお伝えいたします。

カジノだけではないラスベガス

空港のゲートに並ぶスロットマシン

▲ 空港のゲートに並ぶスロットマシン

ラスベガスの“エッフェル塔”

▲ ラスベガスの“エッフェル塔”

 アメリカ合衆国西部に位置するネバタ州ラスベガスはカジノやショーで非常に有名な、言わずと知れた世界一のエンターテインメントの街です。わずか100年ほど前までは広大な砂漠にある小さな集落であったとは信じられないほどのネオン輝く奇抜な街並みは、世界中から訪れた観光客で賑わっています。ラスベガスを訪れたことのある方は多いと思いますが、ラスベガス空港に降り立ちゲートでまず目にするのがスロットマシンです。カジノの街へ来たことを実感させられ、心躍る瞬間です。

 エンターテインメントで有名なこの街ですが、もう一つの特徴が「見本市の集積地」であるということです。近年、見本市の誘致が奏功し数万人規模の見本市、展示会が毎月のように開催されています。私たちのように主目的は展示会への来場、そしてついでにカジノ・・・という人は非常に多いのではないでしょうか。

ラスベガスジュエリーショーとは

 一般にラスベガスジュエリーショーと言い表すことが多いこの展示会ですが、実は複数の会場で開催される複数の展示会の集合体です。いくつかのホテルや展示場で開催されていますが、コンパクトなラスベガスの中心部に立地しているため、移動はスムーズです。
 今回は、スーパーバイヤーと私が訪れた展示会のうち2か所をご紹介します。

(1)JCK Lasvegas /会場:Mandalay Bay Resort & Casino

会場のマンダレイベイ。6月のラスベガスの晴天、日差しはとても強い

▲ 会場のマンダレイベイ。6月のラスベガス
の晴天、 日差しはとても強い。

 2300社以上が出展し、2万人以上が来場するラスベガスジュエリーショーの中核となる展示会です。展示商品は非常に多岐にわたるため会場内はLuxury、Bridal、Diamond Plazaなどゾーン分けされています。イタリアや香港といった海外パビリオンもあります。きらめくルースが数多く並ぶAGTAゾーンには、スーパーバイヤーの友人のブースが何社もあり、最近のカラーストーンの流通状況について最新情報を得ることができました。また、鳥の彫刻品を専門に扱う南米の業者のブースでは、欧米アジアとも富裕層に動物モチーフのオブジェの人気が高まっているという話を聞きました。展示会の醍醐味の一つは、こうした現場の生の情報を聞くことができることだと思います。もちろん、GSTVのお客様へご紹介したい素晴らしい宝石にも出会い、仕入れることができました。

大きなモニタが目を引くブースの入り口

▲ 大きなモニタが目を引くブースの入り口

ドイツパビリオンには、ドイツ宝石博物館のパンフレットも

▲ ドイツパビリオンには、ドイツ宝石博物館の
パンフレットも。

(2)COUTURE(クチュール) /会場:Wynn, Las Vegas

会場の入口、厳密なIDカードチェックがある

▲ 会場の入口、厳密なIDカードチェックがある

出展作品がディスプレイされた廊下

▲ 出展作品がディスプレイされた廊下

 200以上の世界トップクラスのブランドとデザイナーが出展する高級ジュエリーのプレミアム展示会です。会場は有名カジノホテルのホールで、世界的に有名な小売業者のバイヤー4,000人以上が来場すると聞いていましたが、会場に足を踏み入れた途端にその雰囲気が伝わってきます。分厚いカーペットに華やかに着飾ったバイヤー達、こだわりのディスプレイ、他の展示会場とは一線を画す空間です。最先端の革新的なデザインジュエリーが展示され、ブース内では活発な商談が行われていました。

 また、この展示会ではクチュールデザインアワードという品評会が行われ、新しい作品を発表する場としても注目されています。素材別部門、革新的なデザイン部門など14の部門で競い合います。今年はプラチナ部門で日本企業の作品が最高位のWinnerを受賞しました。ハイジュエリーの商談の場であるのと同時に、世界に向けてそれぞれのデザインを発信する大きな舞台でもあるのです。

COUTUREでムンシュタイナー氏と再会

世界の最先端のデザインとハイジュエリーが並ぶクチュールにおいても、独自の輝きを放っているのがアトリエ・ムンシュタイナーのブースです。アメリカ市場向けのラインナップということもあり、大ぶりなジュエリーの展示が目立ちました。トム・ムンシュタイナーさんに話を聞くと、他の展示会と比べ出展費用が高額なクチュールですが、最先端のデザインに触れることができ、世界中の有力バイヤーに作品を発表できるこの場所は、とても重要とのことでした。

また、彼のブース周辺には、ムンシュタイナーカットを用いたオリジナルジュエリーを展示するブースが多くあり、アメリカ市場におけるムンシュタイナージュエリーの評価の高さが伺えました。

多様なジュエリーの展示、数多くの活発な商談、チャレンジングなデザイナー達によるデザインアワード。ジュエリーショーとして様々な側面を持ち、さらにはこの特別な街で開催される展示会であるからこそ、全米はもちろん、海外からも多くの宝石業者が集うのだと感じたラスベガス滞在でした。夕食後にホテルのカジノで楽しんだブラックジャックで勝てたか否かは、皆様のご想像にお任せしたいと思います。

COUTUREでムンシュタイナー氏と再会01

執筆

ストーンカメオ研究家三沢 一章

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