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ジェムストーンの採掘 MINING GEMSTONES

イラカカへの途中にあるバオバブの森

古代には、宝石は地表近くで、偶然に発見されることがほとんどでした。現代では幾分変わったとはいえ、まだ、かなり原始的な作業で色石を探鉱しています。 ダイヤモンドの探鉱事業を展開する大規模な多国籍企業が採用しているハイテク技術にくらべ、色石採取は観察と偶然をあてにして行われているのです。宝石の鉱床にひとたび作業が開始されると、 正しく「鉱山」と呼ばれるようになります。

宝石の採鉱で、特に興味をそそる面は、採収に用いられる技術の多様性です。スコップやふるいのようなローテクの道具から、パイプ(地球の深いマントルから地表へつながる火山性の経路)からダイヤモンドを採掘するのに使われるハイテクの方法まで、多岐にわたっています。

しかし、電動工具やポンプの導入を除いては、ほとんどの色石の採鉱は数千年間で劇的に変化したわけではなく、いまでも三つの基本、忍耐、手工具、力仕事に頼っているのが現実です。

マダガスカル、イラカカでの宝石の小石を洗う作業

4万3000千年の放射性炭素年代で、最も古いとわかっている鉱山はスワジランドのライオン洞穴で す。この場所では、鉄を含む鉱物ヘマタイトが採掘されていて、おそらくすりつぶした赤い顔料、オーカーが作られたと考えられます。同じような時代の遺跡は考古学者によってオランダとハンガリーで発見され、火打石を武器や道具に加工していたようです。古代の鉱山の操業には、シナイ半島のワジ・マガレにある古代エジプト人のトルコ石鉱山もありました。トルコ石は、コロンブス到来以前のアメリカ で、ニューメキシコのセリージョス鉱山地区でも採鉱されていました。深さ60メートル、幅90メートルの岩の塊が石器を使って掘り出されたそうです。結果としてできた、利用できない岩の鉱業廃棄物は8ヘクタールの面積に及んでいます。

マダガスカル、イラカカのサファイア鉱山から出た一日の産出量

宝石は通常、砂鉱床採鉱か母岩採鉱によって得られます。

砂鉱床採鉱/Alluvial mining

トルコ、アナトリアにある世界で唯一のズルタナイト鉱山、トンネル内部

宝石を採鉱する砂鉱床採鉱は、堆積岩の鉱床から採鉱する方法で、別名、砂鉱採取、又は、二次鉱床とも呼ばれています。 

二次鉱床と呼ばれる理由は、宝石が形成された岩(親鉱石)の中に宝石を発見するのではなく、一次鉱床が風化侵食されてできた鉱床で採鉱するからです。その中には、河床の探鉱(水の流れをせき止め、密度の低い粘土や砂が押し流されるようにして残った宝石を含む砂利をかきまぜ、宝石を抜き出し選り分けます)や、地中の堆積岩鉱床からの採鉱(宝石の砂礫層に達するまで穴、垂直坑、トンネルを掘る方法)が含まれます。砂鉱床採鉱の別の方法には海洋採鉱、浚渫によって沿岸砂地層から採鉱する方法があります(例:ロシア、カリーニングラードの琥珀)。砂鉱床採鉱のその他の例として、スリランカのラトナプラの河床採鉱、マダガスカルのイラカカの縦坑採鉱が挙げられます。

タンザニア、ソンゲアにあるブラッド・ミッチェルの鉱山にて稼働中の自動宝石洗浄機。

一般的に、掘削は手工具(小規模鉱山の場合)または工業用大型機械によって行われます。それから掘った土を手作業か、機械の補助で洗浄します。これは文字どおり、ばらばらにくずした土や廃石を取り除くために水で洗い、「洗浄」で宝石を残す作業です。この洗浄は宝石の原石を見つけるために徹底的に行われます。信じられないほど根気のいる、時間のかかる作業で、毎日毎日ほとんど産出量がないこともあるのです。通常、洗浄と分離が終わって残る宝石はごくわずかです。 砂鉱床にはひとつ以上の種類の宝石が含まれる傾向があり、これは一種類の宝石があれば他にもあるかもしれないということを示しているので好都合です。こうした宝石は「トレーサー」宝石と呼ばれ、探鉱者が他の種類を突き止めるのに使われます。他にも探鉱の方法として古代の河床や小川の位置を測量調査する方法があります。

砂鉱床から出る宝石の結晶は丸みをおびていることが多いのですが、それまで経てきた風化の過程で傷ついたり割れたりして、質の劣った標本が既に分けられているので、実は有益な探鉱場なのです。実際、砂鉱床で発見される良質の宝石結晶の割合は、通例一次母岩鉱床から得られる割合より高いのです。

母岩採鉱/Host rock mining

母岩に埋め込まれたままのガーネットの結晶

一次鉱床とも呼ばれ、母岩(親岩石)採鉱は宝石が形成された、または宝石を内包する岩石から宝石を削りとることです。こうした鉱床からの結晶を親岩石から採鉱するには手工具、空気圧の道具、さらに爆発物まで使います。何世紀も行われてきたように、この採鉱には通常地下にトンネルを掘って行われますが、時には地下の洞穴から宝石を直接採取する場合もあります。 例えば、南インドのタミル・ナドゥ州カンガヤム村近くの鍾乳洞からのムーンストーンの採鉱がそうです。 

一次物質の硬さによって、母岩採鉱は.比較的容易な場合(例:マダガスカル、ベタフォのペグマタイトからクンツァイトを採鉱する)と、非常に難しい場合(例:北タンザニア、メレラニ丘陵の岩からタンザナイトを採鉱する)があります。

宝石によってはつるはしやドリルで簡単に取りはずことができるのですが、宝石を引き出し品質で選ぶ前に母材を破砕しないといけない場合もあります。南アフリカ、プレトリアのクリナン鉱山では、「粘着テーブル」というグリースを塗布したテーブルを使い、ダイヤモンドを多く含むキンバーライト(ほとんどのダイヤモンドが発見される母岩)をにテーブルに吸着させて選別しています(ダイヤモンドを含まないキンバーライトは、落ちてしまいます)。

倫理的採鉱/Ethical mining

GSTVは次のように環境にやさしい採掘方法を奨励しています。

  • 河川とその流域、地下水を汚染物質から守る採鉱。汚染物質には沈泥(シルト)、廃石、ごみ、化学的/生物的な汚染物質を含みます。
  • 植物、野生生物、その生育環境の破壊を最小限に抑える採鉱。
  • 採鉱後に、できるかぎり元の状態に近く回復させるよう、埋め立て、植物を植えなおすこと。

たとえば、南タンザニア、ソンゲアのマスグル地区では、鉱山所有者ブラッド・ミッチェルが彼の所有する鉱山にフリーランスの鉱夫が侵入してくるので損害を受けています。彼らは垂涎の的のソンゲア・サファイアを探して樹木を破壊し、毎日何十もの穴を掘ってしまいます。ブラッドの鉱業権認可条件としてその地域を厳密に発見した当時のままにすることがあるため、ブラッドは穴という穴を埋め、抜かれた木より多くの木を植え、この地に来たときより景観が良い状態になるようにしています。多くの国ではこのような条件が厳守されるよう保証していますが、悲しいことにそうではない国もあります。

GSTVは、私たちの扱う宝石が採鉱されたりカットされたりする現地の労働法に従って、公正労働の実施を強く推進しています。公正な賃金を支払った、適法な労働力(児童就労、奴隷労働、不当労働行為は禁止)を使って採鉱した宝石を販売します。また、採鉱設備や加工施設は清潔で、安全で明るい労働環境であるべきだと信じています。たとえば、2006年8月10日、タイのチャンタブリにある私たちの作業場での、毎年恒例の健康診断と安全検査を行った際、粉塵の量は1立方メートルあたりわずかに0.62ミリグラムだったとタイ労働省の記録に残っています。1立方メートルあたり15ミリグラムが正常値と考えられているのにです。

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