【石ガール通信】第七回 「ミネラルショー」出展 大久保洋子さん緊急取材!

ミネラルショー

 近頃、巷で大ブームの「ミネラルショー」。全国各地で開催される「ミネラルショー」への「石ガール」出没率は、「日に日に増殖中!?」との噂も聴こえてきます。
そこで今回は、ミネラルショー出展をライフワークにしている、「元祖石ガール」大久保洋子さんに緊急取材! ミネラルショーの魅力をたっぷりご紹介します。

girl-m-g_1805img-st.png親子三代でミネラルショー

レイアウトは娘の絵弥さんが担当
石ガールimgジュエリー
珍しい色合いのウォーターメロントルマリン

▲ レイアウトは娘の絵弥さんが担当
▲ 珍しい色合いのウォーターメロン
トルマリン

 折しもミネラルショーが開催され、我らが大久保さんも出展しているという情報をGETして、早速、東京・西新宿の会場へ。数あるミネラルショーの中でも、日本で一番古い歴史を誇るのが、年2回、春と秋に開催される「東京国際ミネラルフェア」。大久保さんの亡きお父様、日本の宝石学の礎を築いた近山晶さんが立ち上げに携わり、大事に育てた「老舗」のショーで、大久保さんは17年前から出展しています。
 訪れた日は日曜日とあって、会場は沢山の人で熱気ムンムン。まさに老若男女の石ガール&石ボーイが、石との出会いを求めて、あっちのブースを覗いたり、こっちのブースを冷やかしたり。そんな人混みをかき分け、どんどん奥へと進んでいくと…
 いましたいました! 満面の笑みでブースに立つ、大久保さんの姿を発見! 傍らに佇むのは、愛娘の絵弥(えみ)さん。5年程前からミネラルショーの手伝いを始め、3年前には、お祖父様、お母様と同じFGAの資格を取得。今では大久保さんの右腕として、欠かせない存在です。


大久保洋子さん

「そもそもこのショーは、父の近山晶がアメリカのツーソンで宝石ショーを見て、日本でもやりたいと呼びかけて始まったものなんですけれど、父から誘われて一緒にやるようになり、そして今では娘まで。親子三代に渡ってミネラルショーに、情熱を注いでいます。ブースのレイアウトが大変なんですけれど、最近は娘が全部やってくれるので助かります。」

girl-m-g_1805img-st.png世界の一点物がここに!

 そんな大久保さんのこだわりは、世界の一点物。見たことのないような原石や、一点物のジュエリーを、日本の皆さんに紹介したいと、自らの足と目を駆使して、ツーソンなどの海外で毎年買い付けを行っています。

大久保洋子さん

「最初はツーソンに行っても、お金もないし、何を買ったらいいのかも分からなくて、10ドルくらいの安いものばかり買ってたんです。でもとあるジュエリー作家の作品とめぐり逢って、リングを買ってきて並べたら、それが売れたの! 以来私のブースは、私が自分の目で選んできた『見たことのないもの』『一点物』がコンセプトになったんです。」

 実は十数年前は、ミネラルショーにジュエリーを並べる方はまだ少なかったそうで…。

ルーマニア産100年ものの水晶/カルサイト

▲ルーマニア産100年もの
の水晶/カルサイト

大久保洋子さん

「これは京都・大阪でのショーのお話ですけれど、お隣のブースの方は新聞紙の包みから石を取り出すような感じで、びっくりしたんです。だから私がジュエリーを並べてるのは、何だか申し訳なくて、『場違いでごめんなさい』って主催者の方に謝ったんです。そしたらその方は、『いやいやこれからはこういう風にして拡げていきたいんです』って、おっしゃってくださって。ここ5年10年でミネラルショーも随分変わってきていますが、今やジュエリーはそこにあるのが普通になっている。それが嬉しいですね。」

 ちなみに今回のおススメ「一点物」は、ツーソンで仕入れた「水晶」。

大久保洋子さん

「ツーソンの『ウェストワードルック』っていう、ホテルのスイートルームで展示されるショーがあるんですけれど、そこでめぐり逢ったのが、この水晶。カルサイトがまるでレース編みのように付いていて、しかもツインで2つ寄り添っていて。こんなの見たことない! と思って、行きつ戻りつしながら、思い切って買ったものです。ルーマニアの100年前のものだそうです。持ち主は売っていた若い男性のお祖父様で、お城にお住まいのイギリスの方でした。」

  ジェムストーン評論家の大久保さんでさえ見たことのない、世界の一点物。
 それだけで既に価値がありそうですが、大久保さんが「初めて見た」喜び、その熱い想いを直接伝えてもらえることも、ミネラルショーの魅力かもしれません。

girl-m-g_1805img-st.pngショーから学ぶこと

 石好きのお客様と直接触れ合える機会でもある、ミネラルショー。ブースを訪れるお客様から、学ぶことも多いといいます。

大久保洋子さん

「お客様は石のことを本当によく知っていらっしゃるから、お客様に教えていただくことも多いんですよ。スファレライトとかスフェーンとか、お客様に教えてもらいました(笑)」

 お客様との思い出の中には、こんな素敵な出来事も。

大久保洋子さん

「東日本大震災にあった若い男性が、たまたま私が出ていたGSTVの放送を見て、FGAの存在を知って、宝石を勉強したいと思ったんですって。それで猛勉強してFGAの資格を取って、ミネラルショーに会いに来てくれたんです。父から受け継いだ『宝石学を広める』という使命。それが伝わったような気がして、本当に嬉しかったですね。」

girl-m-g_1805img-st.png秘密兵器、公開!

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▲ 大久保さんの元気を支える酸素カプセル

 ミネラルショーへの出展と共に、今やライフワークの双璧となっているのが、GSTV生放送でのジュエリー解説。少々天然ボケ?の効いた明るく楽しい解説を、楽しみにしているファンも多いと聞きますが、天真爛漫なやり取りの中にも確かな知識が光るのは、ミネラルショーの経験があってこそ。それがGSTVの生放送で大変役に立っているといいます。

大久保洋子さん

「ツーソンに買い付けに行ったり、ミネラルショーのブースに立ったり。そんな経験がベースにあったから、GSTVでも色々お話が出来ると思うんです。自分の目で見たり、触れたりしてきたことを、これからもミネラルショーやGSTVの放送で、皆さんにお伝えしていきたいと思います。」

 それにしてもミネラルショーにGSTV生放送と、大忙しの大久保さん。さぞかしお疲れかと思いきや…!?

大久保洋子さん

「GSTVのリフレッシュルームにある酸素ボックス。最近はあれがあるから大丈夫! 一日ミネラルショーに立って、夜中の生放送っていうと、正直きついんですけれど、酸素ボックスに30分入れば体力が回復して、夜中の生放送も乗り切れるんです!」

  全国の石ガール&石ボーイの皆さん! 機会があれば是非、ミネラルショーへ! もしかしたら大久保さんと、熱い「石トーク」が出来るかもしれません…!?

大久保 洋子

FGA ジェムストーン評論家。父は「宝石学の父」と呼ばれた 故・近山晶氏。幼少から宝石に親しみFGA(英国宝石学協会)資格取得。現在は国際宝石会議の日本代表として活躍中。